DVDなどのデジタルデータは複製が容易なため、気軽にコピーされてしまいます。しかし、不正コピーが蔓延してしまうと製品のDVDが売れなくなり、DVDを記憶媒体とする音楽や映画、ソフトウェア業界などが打撃をうけます。
そこで、DVDにコピーを防止するプロテクトを設けることで違法なコピーが蔓延し、DVDを記憶媒体に利用している企業が打撃を受けないようにしています。プロテクトは発表された次の日にはもう古くなっているぐらい移り変わりが激しいので、ここで採り上げるプロテクトも、すぐに古いものとなってしまうでしょう。発表し、クラッカーがそれを破り、破られたことを踏まえてまたプロテクトを発案する…クラッカーと技術者のいたちごっこですが、技術力に長けるクラッカー側が多少優勢なようです。
次にどのようなプロテクトがあるのか、代表的なものを挙げてみましょう。
リージョンコード(Legion Code)とは、世界を六つの地域に分類し、地域ごとにコードを設けたものです。DVDソフトとプレイヤーにコードが設定されており、その二つのコードが一致することで再生が可能になる仕組みです。プレイヤー側はコードは一つしか持てませんが、ソフト側は複数持つこともできます。
このプロテクトは、例えばアメリカで発表された映画が日本で上映されるまでタイムラグがあります。このタイムラグ中にアメリカではDVDが発売されるのですが、このDVDが日本で観れてしまった場合上映前に内容が知れ渡ることになってしまいます。こういったことを防止する目的でつけられたものです。
マクロビジョン(Macro Vision)とは、ビデオテーププロテクトのようにアナログ信号の輝度信号を極端に変化させ、録画側ビデオデッキの同期・自動録画レベル回路を混乱させてコピー品にノイズを発生させる仕組みです。これにより、キャプチャカードによるキャプチャやビデオ録画が不可能になってしまいます。
CSSとは、デジタルデータコピー防止プロテクトのひとつです。デジタルデータ自体を暗号化することでコピーを防止します。再生時にプレイヤー、ドライブ、再生ソフトが暗号キーを交換することで復号化し、映像を再生します。現在、DVDコピーで最も問題になるプロテクトです。
CGMS DTCPとは、何世代までコピーが可能かという情報を再生側出力信号に埋め込んで送り、録画側がこの情報を元にコピー可能かどうかを判断する仕組みです。このプロテクトがないなら何代でもコピー可能となります。