PlayStation emulator

Date : 2007-08-17
Author : Defolos

CONTENTS

(1.) はじめに
(2.) 準備物
(3.) エミュレータ本体
- ePSXeの入手
- 利用方法
(4.) PlayStation用のBIOS
- PlayStationにおけるBIOS
- BIOSの適用
(5.) エミュレータ用のプラグイン
- プラグインの入手
- プラグインの適用
(6.) PlayStation用のソフト
- 市販のソフトの場合
- isoファイルの場合
(7.) ePSXeの使い方
- どこでもセーブ機能

はじめに

 PlayStationとは、ソニー・コンピュータエンターテイメントが1994年より発売している家庭用ゲーム機です。3Dグラフィックの描写能力に優れ、当時流行の兆しを見せていた3Dゲームへの対応をいち早く取り入れたことで世界的なブームとなりました。俗称では「プレステ」や「PS」などと呼ばれています。
 本レポートでは、このPlayStationのハードウェアをPCで代用し、PlayStation用のソフトをPCで動かせるようにすることを目的とします。なお、PlayStationには後続となるPlayStation2が発表されていますが、ここでは初代のPlayStationのエミュレータについてのみ言及します。


準備物

 エミュレータを利用するには、いくつか事前に用意しておかなければならないものがあります。次に、本レポート内で利用するソフトウェアおよびハードウェアを列挙します。

  1. CDドライブつきのPC
  2. エミュレータ本体
  3. PlayStationのBIOS
  4. エミュレータのプラグイン
  5. PlayStation用のソフト

 CDドライブつきのPCは各自で用意していただくこととし、それ以外の4つについて、その入手方法と設定方法を説明します。


エミュレータ本体

 PlayStationをエミュレートするソフトウェアには数々の種類が出回っています。その中からお好みのものを利用してもらって構わないのですが、ここでは「ePSXe」と呼ばれるエミュレータを利用することとします。

 ePSXeはPlayStationのエミュレータとしては高い再現性を誇り、PlayStation用のソフトの8割ほどは動作するとも言われています。プラグイン方式を採用しているため、それぞれの環境に合わせてカスタマイズすることが可能であり、再現性を高める要因ともなっています。また、PlayStationエミュレータでは唯一「どこでもセーブ」機能を有するエミュレータです。

● ePSXeの入手

 ePSXeのサイトにアクセスして、メニューの「Downloads」よりWin32用のePSXeをダウンロードしてください。本レポートでは2007年8月現在の最新版であるePSXe v1.6.0をダウンロードしました。

 配布元が閉鎖するという事態は考えにくいですが、もし上記のサイトへアクセスできなくなった場合は次のリンクよりダウンロードください。ただしバージョンは1.6です。

● 利用方法

 ダウンロードしたePSXeは圧縮されているため、そのままでは利用できません。お好みの解凍ソフトを利用して展開してください。展開するとファイルが生成されると思いますので、その中のePSXe.exeがエミュレータの本体です。これをダブルクリックすることでエミュレータを起動できます。


PlayStation用のBIOS

 BIOSは「Basic Input/Output System」の略であり、コンピュータが起動する際に必ず呼び出されるソフトウェアで、キーボードやマウス、ディスプレイなどの入出力装置を制御するソフトウェアです。OSに対してこれらの入出力装置への入出力の機能を提供することからBIOSと呼ばれます。ちなみに、発音は「バイオス」が一般的です。

● PlayStationにおけるBIOS

 コンピュータの入出力装置を管理するものですので、当然PlayStationにもBIOSが用意されています。PlayStationでは入出力装置はコントローラやディスクドライブ、モニターへの出力端子が該当します。ePSXeはBIOSまでエミュレートできないため、正規のPlayStationのBIOSをなんらかの形で入手する必要があります。
 BIOSは通常、コンピュータのマザーボード上のRAMに書き込まれていますので、PCに取り込むには専用のハードウェアを利用しなければなりません。こういった作業は高い専門性が要求されるため、困難を伴います。そこで、ここではネット上で配布されたBIOSをダウンロードして利用することとします。

 BIOSは次のリンクよりダウンロードしてください。PlayStationのBIOSは発売時期によって何度かバージョンアップを繰り返していますし、U.S.A.用のBIOSも別にあるため、全部で7つほどあります。7つ全てをひとつのzipファイルに圧縮しています。

● BIOSの適用

 ダウンロードしたBIOSを解凍します。biosというフォルダが生成されますので、その中身をePSXeを解凍したフォルダ内にある「bios」というフォルダ内にコピーしてください。これでePSXeからBIOSを設定することができます。

 次に、ePSXe.exeを起動してください。正常に起動できると、次のようなウィンドウが開きます。

http://ruffnex.oc.to/defolos/text1/figure/ps_figure01.jpg

 メニューの「Config」から「Bios」を選んでクリックしてください。「Config Bios」のウィンドウが開きますので、selectボタンを押して先ほどコピーしたBIOSの中から適当なものを選択してOKボタンを押してください。本レポートでは「Scph1000.bin」を選択しました。

http://ruffnex.oc.to/defolos/text1/figure/ps_figure02.jpg

 これでBIOSの設定は完了です。次にエミュレータ用のプラグインを入手し適用します。


エミュレータ用のプラグイン

 プラグインにはGPU(グラフィック用)、SPU(音楽用)、CDR(CD読込用)、PAD(パッド用)があります。

● プラグインの入手

 それぞれのプラグインをネットからダウンロードします。

» GPU
 グラフィック用プラグインはPete's Windows PSX GPUsを利用します。Pete’s Domainへアクセスし、メニューの「PSX GPU Plugins」をクリックしてください。リストからPete's Windows PSX GPUsを探してダウンロードしてください。2007年8月現在の最新バージョンは1.76です。
» SPU
 サウンドプラグインにはePSXe SPU coreを利用します。これはePSXeに標準で付属していますのでダウンロードする必要はありません。再現性・互換性が高い割りに設定項目が少ないので使いやすいプラグインです。
» CDR
 isoファイルから起動できるプラグインであるcdrIsoを導入します。これはCD-ROMドライブからソフトを読み込むのではなくソフトをイメージとして書き出したisoファイルから起動します。ロード時間はかなり短くなります。
» PAD
 省略

 ダウンロード後は解凍し、エミュレータ本体のあるフォルダ内のpluginsフォルダに解凍したものを全てコピーします。

● プラグインの適用

» GPU
 グラフィック用プラグインはメニューのConfigのVideoから設定を行います。Pete's Windows PSX GPUsを導入すると4つの異なる種類のグラフィックプラグインが選択できます。
 OpenGLはRadeonやGforceといったビデオカードブランド用のプラグインです。D3Dはそれ以外のビデオカードで利用します。DX6 D3DはD3Dで不具合が出る場合に利用します。本レポートではビデオカードが古かったためかOpenGLがうまく利用できずD3Dを利用しました。このままでは動きが早すぎたり、解像度がおかしかったりして使いにくいため、さらにプラグインの設定を行う必要があります。Select Video PluginのところにConfigreボタンがありますので、クリックします。新たに設定ウィンドウが開きますので、次の画像を参照して設定してください。
http://ruffnex.oc.to/defolos/text1/figure/ps_figure03.jpg
 この設定はあくまで一例であり、それぞれの環境に合わせて適宜いじっていく必要があります。ゲームが通常より早く動作する場合はFramerateの部分の「Use FPS limit」のチェックボックスにチェックを入れてください。逆にゲームが通常よりゆっくりと動作する場合は「Use Frame skipping」のチェックボックスにチェックを入れてください。最後にOKボタンを押せば設定が完了します。
» SPU
 サウンドプラグインにePSXe標準付属の「ePSXe SPU core」を利用しますので、今回は特にいじらなくても結構です。サウンドプラグインの設定はメニューのConfigのSoundで行います。もし音が出ない場合はConfigSoundウィンドウを開き、「Enable XA sound」のチェックボックスにチェックを入れます。
» cdrIso
  zipに同梱のlibbz2.dllをエミュレータ本体(ePSXe.exe)と同じフォルダにコピーする必要があります。それ以外の同梱のものはエミュレータフォルダ内のpluginsフォルダ内にコピーします。その後、ePSXe.exeを起動し、メニューのConfigのCdromを選択します。ConfigCdromウィンドウが開きますので、「Select Cdrom Plugin」のところで「Linuzappz Iso Cdr Driver 1.4」を選択します。後はOKボタンを押すだけです。このプラグインを利用するのは後述するisoファイルによるROMの入手を行った場合です。それ以外の場合はデフォルトである「ePSXe CDR WNT/W2K core 1.5.2.」を選択するのが無難です。
» PAD
 省略

PlayStation用のソフト

 PlayStation用のソフト(ROMと呼ばれる)の入手方法には主に2つの方法があります。ひとつは市販のソフトを購入する方法で、CD-ROMドライブからソフトを起動することになります。もうひとつはネットで配布されているisoイメージをダウンロードする方法で、先ほど導入したcdrIsoプラグインを使ってisoファイルから直接ソフトを起動します。基本的に後者のROM配布は違法行為であるためネットからのダウンロードは難しいと言えます。

● 市販のソフトの場合

 市販ソフトの購入によるROMの入手方法では、違法性が無く容易かつ手早くROMを入手できますが、少々の資本が必要となります。また、近くにゲームを扱う店舗が無ければ手早さという利点は失われてしまいます。

○ 市販ソフトの入手方法

 入手方法ですが、まずゲームショップに行きます。PlayStation用のソフトコーナーに行き「これをやりたい!」と思ったものを手にとってレジで購入します。以上で市販のソフトによるROMの入手は完了です。

○ 市販ソフトの起動方法

 PlayStation用のソフトはCD-ROMという形式で配布されています。CD-ROMをCDドライブに入れ、ePSXe.exeを起動してください。メニューの「File」から「RUN CDROM」を選択してクリックしてください。これでプラグインの設定ができていればCDドライブを自動で検索して起動してくれます。

http://ruffnex.oc.to/defolos/text1/figure/ps_figure04.jpg

● isoファイルの場合

 isoファイルでのネット配布は著作権法に違法するため、日本のサーバでの配布元を見つけるのは困難です。そこでベルヌ条約に加盟していないアメリカや違法コピーの巣窟である中国のサーバなどからダウンロードすることになります。

○ isoファイルの入手方法

 EMUPARADISEのサイトへアクセスし、左部のメニューのFeaturedからRomsを選択します。ハードごとにカテゴライズされていますので、その中から「Sony Playstation ISO's」を選択します。ゲームのタイトルリストが表示されますので、やりたいゲームのタイトルをクリックします。後はサイトの指示に従ってダウンロードを行います。ただし、配布しているROMはU.S.A.版であるため英語です。

○ isoファイルの起動方法

 CDROMのプラグインにcdrIsoを選択し、メニューのFileからRUN ISOを選択します。ファイルの選択ウィンドウが開くので、ダウンロードしたisoファイルを選択します。これで自動的にロードされゲームが起動します。

http://ruffnex.oc.to/defolos/text1/figure/ps_figure05.jpg


ePSXeの使い方

● どこでもセーブ機能

 どこでもセーブ機能はゲーム本来のセーブ可能条件を無視してePSXeがそのときの状態を保存する機能です。どこでもセーブ機能は、どこでもロード機能と二心一体であり、ゲームの本来の進行を無視してどこでもセーブ機能でセーブした状態をロードする機能です。ePSXeはPlayStation用のエミュレータでは唯一どこでもセーブ・ロード機能を有します。


■参考文献


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