How To unlock a PazzleLock

Date : 2005-08-31
Author : Defolos

CONTENTS

(1.) パズル・ロックの種類
- セサミ・ロック
- 押しボタン式
(2.) セサミ・ロックの構造
(3.) セサミ・ロックの開錠
- さぐりを入れる前に
- さぐり
(4.) ちょっとしたコツ
(5.) 押しボタン錠の開錠

パズル・ロックの種類

 一般的なパズル・ロックには以下の2つのタイプがあります。

● セサミ・ロック:数字を特定にあわせることで開錠するタイプ

 数字の書かれたダイヤルを回し、特定の数字に揃えることで錠を開けるものです。例えば、自転車のチェーン錠、アタッシュケースなどに多く利用されています。

● 押しボタン式:ボタンを特定の順番で押すことで開錠するタイプ

 数字の書かれた特定のボタンを特定の順番で押すことで錠を開けるものです。残念ながら押しボタン錠には効果的な開錠方法がありません。詳しくは"押しボタン錠の開錠"を参照してください。


セサミ・ロックの構造

 セサミ・ロックの構造を理解するには100円ショップで買ってきた物を分解するのが手っ取り早いでしょう。分解はとても簡単で、方法も一目でわかると思いますので省略します。分解したものを参照しながら読んでください。

 ダイヤルに差し込む方をボルトと言います、ボルトにはいくつかのピンと呼ばれる突起がついています。鍵を掛けるときはダイヤル内に刻まれたスロットが揃っているので奥まで差し込むことができ、その後ダイヤルを適当に回してロックします。ロックするためにダイヤルを回すことでスロットの位置がばらばらになり、正しい数字を知っていないと開錠できなくなります。


セサミ・ロックの開錠

 パズル・ロックは時間と根性さえあれば誰でも開錠できます。コンピュータのパスワードクラッキング技術ブルート・フォース・アタックのように手当たりしだいに試していけば、いずれは正しい数字に辿り着けるでしょう。しかし、10000通り一つずつ確かめていくと5時間は掛かると言われています。よほどの根気がなければつらいですね。そこでスロットの位置をひとつずつ予測していく「さぐり」を入れることになります。なお、ここでは自転車のチェーン錠を使うこととします。

● さぐりを入れる前に

 実際に開錠を試みる前に、まずはじめに一番右もしくは一番左のダイヤルを一回ししてみます。面倒くさいから一番端のダイヤルしか回さない、という人は意外と多いものです。まず初めにチェックすべきポイントでしょう。これで開けられない場合は以下に説明する「さぐり」を入れる必要があります。

● さぐり

 錠を左右に引っ張りながらダイヤルを回していくと、一定の数字のところで回りにくくなったり、妙な感覚を得られるところがあります。この数字の場所がスロットの位置です。しかし、この方法はピンとダイヤルのわずかな隙間によって成り立ちますので、磨耗の少ない新しい錠では非常に微細な感覚しか得られません。

 以上が一般的なさぐりの入れ方です。得られる感覚が非常に微量という点ではかわりありませんが、私がよく使うさぐりの入れ方も紹介します。まず、左端(ボルトを右側とした場合)のダイヤルを適当な数字にあわせます。左右に引っ張りながら二番目(左から数えて)のダイヤルを回していきます。このときの回しやすさを覚えておき、左端のダイヤルをひとつ進めます。また、二番目のダイヤルを回していきますが、このとき前と比べて少し回しづらくなったようなら左端のダイヤルの数がスロットである可能性が高いようです。前と比べても同じようなら、また左端のダイヤルを進め二番目のダイヤルを回していく・・・このようにして全てのダイヤルのスロットを探り当てて開錠します。


ちょっとしたコツ

 開錠を試みる前に外側からでも油をさしておくと、感覚がつかみやすくなります。また、回転が滑らかになり指が痛くなりにくいです。油をさしておかないと、5分以上もダイヤルを回し続けることは珍しくありませんので、すぐに指が痛くなります。また、所々で引っかかるので感覚もつかみにくいようです。


押しボタン錠の開錠

 押しボタン錠には有効な開錠方法がありません。使われているボタンを推測し、あとは総当りで試していきます。ボタンを推測するにはボタンに付着した汚れや油分などを頼りにするしかありませんが、うまいぐあいに汚れがついているとは限りません。
 そこで、その状況を故意に作ることで汚れを見やすくします。錠についている汚れを拭き取り、その錠の持ち主が錠を触る前に必ず触れる場所に薄く油を塗っておきます。これで押されたボタンは予測できますので、あとはそのボタンの組み合わせを一つ一つ試していきます。 また、初めに押すボタンには多くの油分が付着しますので、最初のボタンは予測が簡単だと思います。

【Wizard Bible 編注】

 郵便物、お札、外国の切手などにブラックライトの光を当てると、無色の蛍光塗料が青白く光ります。ブラックライトとは、特殊な蛍光管で、目に見える波長の電磁波をほとんど発しません。そのため、塗ってある無色の蛍光塗料だけが光って見えるわけです。この無色の蛍光塗料を押しボタン錠にあらかじめ塗っておきます。数週間後、押しボタン錠の前に現れ、ブラックライトを近づけてみます。すると、よく押されている数字キーの塗料が他から比べて落ちかけているはずです。
 例えば、その押しボタン錠が4桁の暗証番号だったとします。0〜9と「*」と「#」の合計12キーあったとしたならば、総当りで調べるとしたら、最悪の場合12^4=12×12×12×12=20,736回試すことになってしまいます(本来、「*」や「#」は暗証番号としてほとんど使われないから、10^4=10,000回が妥当)。

 そこで、蛍光塗料を使った方法で、落ちかけている数字キーが4つあったとします。そうすると、この数字キーの4つの組み合わせで4桁の暗証番号ということなので、重複を考える必要がなくなり、4!(4階乗)=4×3×2×1=24通りに絞り込めます。これなら総当りしても5分程度で終わるはずです。また、落ちかけている数字キーが4つではなく、3つ、2つ、1つだったら、重複している数字があるということですが、どちらにせよ4桁に代わりはありません。つまり、落ちかけている数字キーが3つならば18通り、2つならば14通り、1つならば1通りになります(計算間違ってたらごめん)。ちなみに、ブラックライトは乾電池で動くタイプやAC100Vで動くタイプがあり、およそ5,000円前後で売られているようです。小型の乾電池で動作するタイプなら、オークションで2,000円ぐらいであります。

 きれいに汚れをふき取ってから、数日後に指紋検出を行い指紋がよくついている数字キーからも上記同様に推測される暗証番号が絞り込めるはずです。


■参考文献


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